その音の名は 2

 

 

 

っ、むく、なに、」

……

「お、っ前、何考えて、」

幻術で現れた蔦に両腕を頭の上で戒められ、身を捩るしか術は無かった。

綱吉からは藍色の髪の毛の所為で骸の顔を見る事が叶わない。

不安と恐怖が綯い交ぜになり、綱吉は全身をガクガクと震わせた。その間も、長い指が胸や腹をなぞる様に動いている。

「やめろ、骸、頼む、から」

ここが主張してきていますよ」

ギュとペニスを握られ、綱吉は喉の奥で悲鳴を上げた。

他人に触れられたのは初めてだった。

その衝撃で、既に自分が弱々しく喘いでいた事に漸く気づく。

っ!」

「僕が今からしようとしている事、もう解りましたよね?」

骸はそこを握ったまま、綱吉と鼻先が触れそうな程近くで笑顔を見せた。その笑顔は口元が歪み、色違いの目は昏く、けれども熱を孕んでいる。

殴られた様なショックを受け、綱吉は両目を見開き、唇を戦慄かせた。

暴れて抵抗するという選択肢さえ思いつかない。

そんな様子には構いもせず、骸の指は丁寧に綱吉の先端を撫でている。

「いい顔を、してますよ」

うっとりと、綱吉の頬を舐める。

ほら、もうこんなに濡れてます」

己の指先を綱吉の眼前に晒し、骸はクフと笑いを零した。

ぬらりと光っているそれを見て、綱吉はただ顔を逸らす。全身の震えは止まらず、少しも力が入らない。

その隙を狙ってか、骸は指を後ろの蕾に侵入させた。

「!、む、むく、ろ?」

信じられないものを見る様に、綱吉は整った顔に瞳を向けた。

「解すんですよ。じゃないと、君が辛い。僕は、優しいらしいですから?」

困った表情を作り、綱吉に向かって首を傾げてみせる。

じ、冗談、はもう、」

「冗談で済ます気はありません。初めてが外とは、君にはちょっと刺激が強いでしょうが、」

指を増やし、後ろを抉りながら骸は微笑んだ。

「周りからは見えていない。君の痴態を、見せるものか」

呟いた瞳は、燃え盛る赤と、海の底の様な蒼だった。

 

 

ズボンの前を寛げ、骸は綱吉の腿を割り開き抱え上げる。

く、ああっ!」

指とは比べ物にならない体積が、綱吉の蕾にみしみしと侵入してくる。

「ああっ!あ、あ、」

「息を吐いて、綱吉、君」

ふ、あ、あ、あーっ!!

奥まで一気に突かれた。

凄まじい痛みに、綱吉の瞳から、ぼろぼろと涙が溢れてくる。

背中を壁に預け、両足を肩に担がれ、身体が揺れていた。

衣服は無惨にも、殆ど剥ぎ取られている。

男に犯されているという事実。

けれど、綱吉は心の底から、それを恨み、抗う事が出来ないでいた。

それは、その行為をもたらしているのが、他の誰でも無い、骸だからだ。

 

それは何を意味する?

 

くっ、狭い、ですね」

「あっ、あ、あ、」

「綱吉君、僕、を感じてます、か?」

律動は激しさを増し、綱吉には喘ぐ事しか出来ない。

「ずっと、こうしてい、たい」

「む、むくっ、あっ、あ!もう、」

イき、ます」

「ぅ、ああああーっ!!

綱吉は内に骸の迸りを感じながら、自分も達していた。

目の前が真っ白に破裂し、意識が薄らいでゆきながらも、綱吉は、骸の切なげな顔を見た気がした。

 

 

 

 

長くなったので一度ここで切ります;;

 

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